国を越えるイノベーション
私たちは、地政学的な観点だけでなく技術革新の重要性という点においても、歴史的に大きな岐路に立っています。直面する経済的、社会的な課題に対して解決策をタイムリーに提供するには、イノベーションを加速させる必要があります。このために、技術移転、学会と産業会の相乗効果、国際協力は極めて重要な役割を果たします。
日本とドイツは、エンジニアリング、精密製造、医療/医薬品などの対応する技術分野で強みを持っているにもかかわらず、技術移転の促進において似通った課題に直面しています。しかし、移行プロセスはあまり理解が得られていないことが多く、より的を絞ったプロモーションが妨げられています。さらに、移行の構造は進化し続けており、経験やベストプラクティスを交換することで多くのメリットを得ることができます。
2日間のシンポジウム「国を越えるイノベーション」では、両国の事例研究を通じて、ドイツと日本がどのように技術移転を効果的に促進し、関連する課題を克服しているかについて探求します。このシンポジウムでは、再現可能なベストプラクティスを特定するだけでなく、該当の分野での交流や協力を促進することによって、協力して課題に取り組むことも目的としています。このイベントではまた、ドイツや日本での事業拡大に関心がある個人や組織に対し、同じ分野で活動している関係者とのつながりを得られる機会も設けています。
プレゼン資料、録画、関連情報
【プレゼン資料(12月4・5日)】
ムリエル・ヘルビヒ「移転―イノベーションへの希望となるか欺きとなるか」
小林 治「国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の技術移転と国際協力の推進」
隅蔵 康一「日本における大学から産業界への知識移転」
ローレンツ・グランラート「ドイツにおける科学から産業への技術移転」
ローレンツ・グランラート「Technology Transfer in Germany」(記事)
【ライブストリーミングの録画(12月4日)】
日本語:https://www.youtube.com/live/mXVAeHkhgnE?si=TmcdUyXq67_EFEUG
英語:https://www.youtube.com/live/VG5wOjzwekw?si=gqsGBl_hEmwYTwpa
【技術移転に関する主要機関の概要】
本イベントは、日本とドイツの技術移転に関する更なる交流の礎となりました。こちらのページでは技術移転に関する主要機関の概要をご覧いただけます。: https://www.dwih-tokyo.org/transfer/
【LinkedInグループ “Germany-Japan Tech Transfer Network”】
LinkedInでは“Germany-Japan Tech Transfer Network”というグループを開設しています。アカウントをお持ちの方はぜひご参加ください。 https://www.linkedin.com/groups/14357098/
【イベントレポート(ドイツ語)】
https://www.dwih-tokyo.org/de/2023/12/18/report-taking-innovation-abroad/
イベントの様子
ビデオを再生するには画面をクリックしてください。再生すると、ビデオ提供者に情報が共有されます。 Youtubeで見る
プログラム& 講演者
1日目:12月4日(月)SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)※ハイブリット形式
【ご挨拶 日本時間15:00-15:15(ドイツ時間07:00-07:15)】
アクセル・カーペンシュタイン
ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京(DWIH東京) ディレクター / ドイツ学術交流会(DAAD)東京事務所 所長
【基調講演 日本時間15:15–15:45(ドイツ時間07:15–07:45)】
「移転―イノベーションへの希望となるか欺きとなるか」
ムリエル・ヘルビヒ
ドイツ学術交流会(DAAD) 副会長 / リューベック応用科学大学 学長
「国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の技術移転と国際協力の推進」
小林 治
国立研究開発法人 科学技術振興機構 国際部部長
【ディスカッション 日本時間15:45–16:15(ドイツ時間07:45 – 08:15)】
司会:ラウラ・ブレーケン
DWIH東京プログラム・マネージャー
【パネルディスカッション 日本時間16:30–18:00(ドイツ時間08:30–10:00)】
パネリスト:
ヴァレリー・ダルドルップ
イェーナ大学(フリードリヒ・シラー大学イェーナ) International Startup Campus(インターナショナルスタートアップキャンパス)
安井 公治
三菱電機株式会社 FAシステム事業本部 主席技監
近藤 百合
株式会社キャンパスクリエイト 産学官連携コーディネーター
アレクサンダー・キース
フラウンホーファーInternational Center for Networked, Adaptive Production (ICNAP) コミュニティーマネージャー、フラウンホーファー生産技術研究所 研究員
新阜 秀朗
起業家、IP Nexus 創業者兼 CEO、東北大学大学院医工学研究科特任准教授、投資家
司会: アクセル・カーペンシュタイン
ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京(DWIH東京) ディレクター / ドイツ学術交流会(DAAD)東京事務所 所長
【レセプション(現地会場参加者が対象) 日本時間18:30-20:30】
2日目: 12月5日(火)※オンライン形式
【プレナリーオンラインセッション 日本時間16:00-17:00(ドイツ時間08:00-09:00)】
ドイツと日本の技術移転の状況(ステークホルダー、プログラム、支援体制)
「ドイツにおける科学から産業への技術移転」
ローレンツ・グランラート
精神生理学研究所(IXP)日本代表部
「日本における大学から産業界への知識移転」
隅蔵 康一
政策研究大学院大学 教授
司会:ラウラ・ブレーケン
DWIH東京プログラム・マネージャー
【パラレルワークショップ 日本時間17:15-18:15(ドイツ時間09:15-10:15)】
1) 起業家精神の育成
「将来のキャリアとイノベーションの基礎を築く―大学、(若手)研究者、科学技術の分野における協力の役割」
司会:アレクサンダー・シュヴァルツコプフ
イェーナ大学(フリードリヒ・シラー大学イェーナ)若手研究者グローバルモビリティ担当 プログラムマネージャー
ワークショップの概要:
What are the fundamentals to equipping early career researchers with the skills and expertise needed to enter different sectors of the global job market successfully? Which skills are required for entrepreneurship? And how can universities and researchers contribute to fostering entrepreneurship and innovation? This workshop aims to provide insights into the German doctorate and how Jena University supports its early career researchers. Following this, we will have the opportunity to transfer the example into your own experiences and to brainstorm ways to empower researchers from the ground up.
2) 大学と産業界をつなぐ
「国を越えた技術移転の支援(創業者、アクセラレーター、技術移転支援事務所対象)」
司会:アクセル・カーペンシュタイン
ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京(DWIH東京) ディレクター / ドイツ学術交流会(DAAD)東京事務所 所長
ワークショップの概要:
How to Make Technology Transfer Work – Domestically and Internationally?
In this workshop, we will share experiences from Germany and Japan to delve into the most effective strategies for technology transfer. We will address common obstacles such as differing organizational cultures, varied objectives and time horizons of researchers and firms, as well as information asymmetries. Additionally, we will explore strategies for internationalizing technology transfer, such as expanding the activities of your research network or startup to Germany or Japan.
This is an interactive workshop – please bring your questions, concerns, and ideas to share with everyone!
3) 光学・フォトニクス
「ディープテック・スタートアップを通じた光学・フォトニクス分野の集中的技術移転:”オプティカルバレー”ドイツ・イエナの事例」
司会:ゼバスチャン・ヘンシュケ
デジタル・イノヴェーション・ハブ・フォトニクス(DIHP)
ワークショップの概要:
Optical Valley Jena: Entrepreneurship and technology transfer in optics and photonics for more than 175 Years.
Jena is the cradle of moder optics. Its success is commonly based on the courage, drive and commitment of three entrepreneurs: the Weimar precision mechanic Carl Zeiss, the chemist and glass technician Otto Schott and the physicist Ernst Abbe, an outstanding scientist who later became social reformer as a far-sighted entrepreneur. At all began in 1846, when Zeiss founded his workshop in Jena.
This entrepreneurial spirit lives on to this day, carried by the present generation. Their names include Reinlein, Lachmann, Beier. They, too, are mostly from the region. They too combine scientific expertise with the power to translate it into product and service solutions that strive in their respective markets. In doing so, they benefit from the immense depth of knowledge gained from over 175 years of research and application in the region.
Today Jena appears to be a catalyst, too. The valley attracts innovative people who absorb the knowledge, develop it further and gain a foothold with new ideas as promising start-ups in Jena or in Thuringia. In this workshop we will showcase real-life use cases from the Optical Valley in Jena and the world, showing how deeptech startups and research institutes collaborate internationally – with Japan, too – in driving innovation and commercialization.
4) インダストリー4.0
「ネットワーク化された適応型製造を具体化するための連携」
司会: アレクサンダー・キース
フラウンホーファーInternational Center for Networked, Adaptive Production (ICNAP) コミュニティーマネージャー、フラウンホーファー生産技術研究所 研究員
ワークショップの概要:
How can we overcome the various challenges posed by Industry 4.0 and leverage its potential?
Our approach: Dive into knowledge exchange, cultivate partnerships and ignite joint projects. In a nutshell: let’s build a community to tackle the challenges of digitalization!
At the upcoming workshop, hosted by DWIH Tokyo and Fraunhofer ICNAP, we will jointly discuss with all participants the benefits of digitalizing production and identify approaches of synergistic partnerships in the field of cutting-edge re-search and industrial know-how.
Would you like to learn more about our approach? Join us at the workshop – let’s shape the future of production!
5) 生物医学
「産学連携による研究室から市場へのバイオメディカルイノベーションの加速化」
司会:アミナ・ダカ
ハイデルベルク大学 技術移転機構 hei_INNOVATION、スタートアップサポート&イノベーションマネジメント
司会:ヨハンナ・シュヴァルツ
ハイデルベルク大学 技術移転機構 hei_INNOVATION、イノベーションスカウト&トランスファーマネージャー
ワークショップの概要:
This workshop explores the synergy between academia and industry in accelerating biomedical innovation from lab to market within the vibrant Life Science Cluster Rhine-Neckar. Highlighting Heidelberg University’s programs, such as beLAB2122 and Sanofi’s iDEA-iTech Awards, and the entrepreneurial support of BioLabs Heidelberg, we aim to map the landscape of life science innovation in Heidelberg. We look forward to discussions on challenges and opportunities in industry-academia collaboration, fostering a dynamic environment for transformative advancements.
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イベント情報
2023年 12月 4日から 12月 5日
ハイブリッド (渋谷QWS) / オンライン
主催者: DWIH東京 / 共催: 国立研究開発法人 科学技術振興機構 / 後援:日独産業協会 (DJW) 、Start2 Group