「日独 科学・イノベーション フォーラム2010」を開催
2010年10月6日に六本木アカデミーヒルズ(東京)にて「日独 科学・イノベーション フォーラム2010」を開催いたしました。「ドイツ 科学・イノベーション フォーラム(DWIH)東京」設立記念イベントとなる今回のフォーラムには、日独両国の学術界、産学界、政府関係者など各界から総勢約400名の方々にお集まりいただき、有意義な交流・対話が行われました。
ドイツ大学学長会議会長マルグレット・ヴィンターマンテルと駐日ドイツ商工特別代表マンフレッド・ホフマンの両氏が開会の辞を述べたあと、ドイツ連邦教育研究省次官ゲオルグ・シュッテ氏が挨拶に立ち、日独連携の重要性を強調しました。シュッテ次官は「科学技術の盛んなドイツと日本が協力することによって、地球規模のさまざまな課題の解決が可能となる」と述べ、ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京の活動に大きな期待を寄せました。
引き続いて壇上に立った駐日ドイツ連邦共和国大使フォルカー・シュタンツェル氏は、日独交流150周年を迎える来年(2011年)に、記念行事の一つとして「日独 科学・イノベーション フォーラム」の開催も予定されていることを明かしました。次いでBASF SE取締役マーティン・ブルーダーミュラー氏は、日独の研究機関と革新的な企業が、幅広く交流する場が生まれたことに対して、喜びと感謝の意を表明しました。
3氏による挨拶のあと2つの基調講演が行われ、まず2008年ノーベル生理学・医学賞受賞者ハラルド・ツアハウゼン氏より最先端の癌研究についてグローバルな視点から紹介がありました。次に科学技術振興機構 研究開発戦略センター長 吉川弘之氏の講演では、社会の期待に応えるイノベーションを創出するためには、基礎研究と応用研究に連続性を持たせる必要があり、そのためには研究者の「出会い・邂逅」の場を作り、助成機関を含めた協力関係を構築することが重要であることが強調されました。
午前中の最後のプログラムであるパネルディスカッションでは、ドイツ大学学長会議会長マルグレット・ヴィンターマンテル氏の司会のもと、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団学術参与・縣公一郎氏、独立行政法人日本学術振興会理事長・小野元之氏、Siemens AGエナジー事業本部チーフ・フィナンシャル・オフィサーのラルフ・グンターマン氏、ドイツ研究振興協会評議員ハンス-ヨッヘン・ハインツェ氏、東京大学総長・濱田純一氏、ドイツ学術交流会副会長マックス・フーバー氏、デンソー・オートモーティブ・ドイツ欧州電子技術部長・矢野健三氏ら、日独の学術界と産業界を代表する方々により、知のグローバル競争時代における日独の戦略的連携の展望と可能性について熱い議論が交わされました。
午後は、ドイツ学術交流会、ドイツ研究振興協会、フラウンホーファー研究機構、マックス・プランク協会、ヘルムホルツ協会などの協力機関との共催で、早稲田大学や東京医科歯科大学の協力も得て、5つの専門テーマに分かれてワークショップが開かれ、日独の専門家により活発な議論が交わされました。