量子物理学から量子技術まで~ドイツと日本のアプローチ

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量子物理学の研究者はミクロな物質の状態から、宇宙のブラックホールからの放射に至るまで、幅広い課題に取り組んでいます。さて、これらの研究の共通点は何でしょう。

研究者はしばしば驚くべき疑問を投げかけ、その質問は常に未知への挑戦です。そして、これが新しいアプローチや解決策を生み出します。

今回のDFG ハインツ・マイヤー=ライプニッツ賞オンライン講演会では、ドイツと日本それぞれ1名の研究者が量子物理学の最先端の研究を紹介し、それらが医薬療法の材料、コンピューター関連、エネルギーといった分野でどのようにイノベーションに貢献しているかについて議論します。量子物理学の研究は現代物理学の最終目標である「万物の理論」の構築だけでなく、実用的な新たな技術への応用にも向かうものかもしれません。

イベント情報

2024年10月25日, 16:30 から 18:00まで

オンライン
主催者: ドイツ研究振興協会(DFG)、DWIH東京(ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京)、広島大学、広島大学大学院先進理工系科学研究科

日程:2024年10月25日(金)
時間:16:30-18:00(日本時間) / 09:30-11:00(ドイツ時間)
言語:英語・日本語(同時通訳あり)
プログラム:ダウンロード

質問: 

登壇者

トビアス・メング 博士
DFG ハインツ・マイヤー=ライプニッツ賞 2022年受賞者、ドレスデン工科大学 エミーネータージュニアリサーチグループ 「量子デザイン」 グループリーダー
プロフィール / 略歴

「量子フロンティア」
量子技術は量子コンピューターでの超高速情報処理から超高感度量子センサまで、多くの画期的な応用が期待されている新興分野である。講演では、量子技術を構築する革新的な要素を概説し、昨今のこの分野における数々の大きな課題について説明する。また、自身の研究でこれらの課題にどのように取り組んでいるか、事例を紹介する。

 


片山春菜 博士
広島大学大学院先進理工系科学研究科 助教
プロフィール / 略歴

「電気回路を用いた量子論と一般相対性理論の統一への試み」
現代物理学の究極の目標は、自然界に存在する4つの力を統一することである。しかし、扱うスケールの違いから量子論と一般相対性理論が相容れないことが、力の統一に向けた障壁となっている。この懸け橋になりうるのが、強い重力場のブラックホールから生じる量子現象であるホーキング輻射であり、その観測が統一への鍵となる。しかし、実際のブラックホールからのホーキング輻射は、非常に微弱であるため、観測することが極めて困難である。我々は、超伝導回路を用いて擬似的ブラックホールを作り、そこでのホーキング輻射が観測可能であることを示した。この研究は、量子論と一般相対性理論の統一を進める基盤を提供する。